�･二人の休日　　BY KAYA

梅雨の間の久々に晴れた今日、珍しく重なった二人の休日に
俺とナルトは森に出 かけることにした。

「イルカせんせ−、オレさ、オレさ、昼飯食べるのにいい場所知ってるってば」

はしゃぎながら俺の手を引くナルト。
久し振りにゆっくり会えるのが凄く嬉しそう……って俺もそうなんだけどね。

「ナルト、そんなに慌ててると転ぶぞ…」

と、言い終わる前につまづいて。
俺は慌てて繋いでいた手を引いてナルトを抱き留める。

「……あ−びっくりしたってば。」

そりゃこっちのセリフ、と軽く頭に拳骨。
ナルトは嬉しそうにへへ…と笑って照れくさそうに小さく、
ありがとう…と呟く 。
俺はナルトの頭をクシャッと撫でて、どう致しましてと笑う。
そんな事を繰り返しながら着いたのが、湧き水が作る泉のほとり。
余り人が入らないのか、荒らされている様子も無く、自然のままの姿をとどめている。

「ここ、俺のとっておきの場所なんだってば。」

得意満面の顔で、近くの一番大きな木の根元に腰掛ける。
そして二人で作ってきた弁当を広げて、不格好なお握りや、
少し焦げてしまった 卵焼きを頬張る。 その間もナルトは、
任務の事や仲間の事、自分でしてる修行の事とかを一生懸命 話す。
俺はそれに時々突っ込みを入れながらナルトの話をひたすら聞く。
食後は二人仲良く木に寄り掛かって目を閉じる。

「風が気持ちいいってば……」
「そうだな……」

心地の良い沈黙を感じながらも、思い出した様に俺は口を開く。

「ナルト…」
「なに？」

うとうとし始めているナルトはそれでも俺の言葉に耳を傾ける。

「今日、久々に会えて嬉しかったよ…」

俺の本心。
それにナルトは瞑っていた目を開くと、凄く嬉しそうに…幸せそうに微笑む。

「オレもだってば……ホントは暫くせんせ−に会えなくってすっごく
　つまんなか った。
　だから今日はたくさん一緒にいられてすっごく嬉しかったんだってば…」

照れて俯くナルトの頭を軽くぽんぽんと叩き、
俺に寄り掛からせる様に抱き寄せ る。
ナルトはごそごそと身動ぎをして居心地のいい場所を探り当てると、
俺の顔を見 て、 はんなりと微笑む。

「おやすみせんせ−」
「おやすみ、ナルト」

安心したように目を瞑り、余程眠かったのかすぐに寝息が聞こえ始める。
多分、今自分は凄く幸せな顔をしていると思う。
ナルトがこうやって自分の事を思っていてくれてる事や、
隣にいても安心して眠 ってくれている事をとても嬉しく思っている。
だから……

「ありがとうな、ナルト・・・」

眠っているナルトの頬にキスを送る。
そして俺も目を瞑り、傍らにある温もりと、
心地好い空気に包まれて幸せな昼寝 についた。

　　　END
　　　　　　
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